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アマゾンの戦略はシンプルだった。(1)Kindleに通信機能をつけ、端末から直接、書籍を買えるようにする。(2)購入時にかかる通信代は、アマゾンが負担する――。
それまでの電子ブック端末は、パソコン経由でしか書籍データを読み込めなかった。そこに通信機能をつけ、負担をアマゾン持ちとすることで、利用者は手元に端末さえあれば、いつでもどこでも通信コストを気にすることなく書籍を購入できるようになった。
特に二つ目の戦略は、野口にとって予想外だった。通信代を負担して、黒字になるのだろうか。
だが、よく考えれば、電子書籍はほとんどがモノクロで文字中心のため、1冊丸ごとダウンロードしても、データ量は音楽1曲分の4分の1程度にしかならない。通信コストは大きくはないのだ。「電子ブックならではの手法なんです。それも、コンテンツと端末を一体運営していればこその発想だった」と野口は振り返る。